次世代のホログラフィックサイト?!実物 Vortex UH-1 ホロサイトを徹底レビュー!!

Vortex Optics(ボルテックス オプティクス)は米国ウィスコンシン州のミドルトンに本社を構える、光学機器メーカー。
自社で開発、設計した製品を自社工場や海外工場(一部Made In Japanの物も)で製造し、アメリカを拠点に、世界中をマーケットに活躍している会社です。

ホロサイトと言えば、真っ先に出てくるのがEotech(イオテック)ですが、2015年に温度変化で照準が狂うという精度の問題で訴訟にまで発展し30億円に上る賠償金で和解するというような事件も起き、長らくホロサイトの覇権を握っていたEotech(イオテック)が疑問視されている中で2017年にVortex UH-1発表されました。

ホロサイト=Eotechというこの固定概念を今後崩していくのかもしれません・・・!!
ということで今回はそのEotechの実物ホロサイトを用意しました!!
徹底的に比較していき、詳しく説明していきます。

もくじ

1.外箱・付属品などについて
2.VORTEX UH-1の外観について
3.VORTEX UH-1のレンズについて
4.VORTEX UH-1の特徴について

5.VORTEX UH-1ののドットについて
6.実際に実物Eotech EXPS3-2ホロサイトと比較してみた

.総合評価&オススメ度

1.外箱・付属品などについて

まずは外箱から見ていきましょう。
非常に高額なドットサイトなので外箱の作りこみはすごいです。
Eotechのようなハードケースではありませんが、それに匹敵する満足感ですね。

MADE IN THE USAということでアメリカ製ですね。
世の中MADE IN CHINAであふれかえっている中、ちょっぴり満足感を感じることができますね。(笑)
無期限の保証があるとも書かれていますが日本に輸入されているものがどうなのかはわかりませんが、性能がいいという自信の表れではないでしょうか?

今回のホログラフィックサイトは新型レティクルが採用されています。
前方の痕跡全てを視覚的に排除するようシステム全体を設計しているとのことで、既存のレッドドットサイトや他社製ホロサイトとの違いをアピールしています。

光度は15段階の調整が可能で、使用可能時間は600~1500時間とかなり長い駆動時間を実現しています。
新型レティクルの名前はEBR-CQB HOLOGRAPHIC RETICLE。
25~400ヤードを狙うときは中心のドットで狙い、10ヤードの近距離では下にある三角形で合わせて狙うということです。

箱を開けてみると、緩衝材と英語の説明書が付属しています。
箱を開けても感じる高級感。
実物光学機器を買おうとしてらっしゃる方が求めていることは「満足感」であることが多い中で、この外箱・デザインは素晴らしいですね。

2.VORTEX UH-1の外観について

さて、そろそろホログラフィック本体を見ていきましょう。
こんな感じで納められています。

高価なCR123Aが1個付属しています。
あとはクリーニングクロスという感じです。
付属のクリーニングクロスはVORTEXのマークが印字されていてVORTEXオリジナルのクロスでした。
私個人的にはかなりこういうのには価値を勝手に感じました。(笑)

それでは箱から出してホロサイト本体を見ていきましょう!
見た感想は「ゴツい」「デカい」でした。

ものすごい重厚感と耐久性を醸し出しています。
電池はcr123aを使用し、使用可能時間は600~1500時間とロングライフで、これまでのEotechの駆動時間600時間に対して非常に長く使用することができます。

電池ボックスのフタ部分には紛失防止でワイヤーが取り付けられています。
また、マウントへの取り付けは非常に簡単で、QDレバーでワンタッチでつけ外しができます。

レンズが斜めについてるじゃないか!!!ではありません。(笑)
これは構造上のもので全く問題はありません。

対物側にも「VORTEX」「UH-1」と印字されていて外観を崩さない程度でしっかりと主張されていて個人的はポイント高めです。
本体上部にも小さくVORTEXのマークがあります。
接眼側のレンズはこのような感じです。
プラスマイナスで輝度を調整します。

プラスマイナス同時押しで電源オフ、マイナス・プラスどちらかを押して電源オンです。
接眼レンズは薄い紫色のコーティングがされています。

個人的に感じたことですがプラスマイナスボタンの上のVORTEXが刻印されているへこんだ部分が意味深です・・・汗
もしかすると数年以内にNV(ナイトビジョン)モードが搭載されたバージョンが発売されるのではないかと思います。
上下左右の調整ダイアルとMICRO USBポートがあります。
調整ダイアルは1クリックで0.5MOA移動できます。

クリック感はそれなりにありますがカチカチとしっかりした感じではなく少し緩い感じです。
USBポートはCR123Aの充電式モデルであるLFP123Aの充電に使用することができ、もう光学機器を充電できる時代になったのですね・・!!
で、ですが問題なのは「LFP123Aという電池がそもそも探しても見つからない」「一本が高い」ということです。

そもそも探しても国産のものや有名なものが見つからず、買っても安定して長期使用できるかもわからないうえ、1本4000円以上するということでCR123Aで約1000時間・600円と考えると7本分なら4000時間。元が取れる気がしないので電池はCR123Aをわたくし的にはお勧めです!(笑)

3.VORTEX UH-1のレンズについて

さて、実用性が大きく左右されるレンズの透明度や見やすさについてみていきましょう。
Vortex UH-1は視認性を向上させるため、使用時間を向上させるためにレンズをあえて青くしているようです。

屋内で使用した場合はこのレンズの青みが少し気になります。
青いレンズを使用することで視認性を向上させ、電池を必要以上に使わず、長持ちさせる効果が発揮されている感じがします。

実際にレンズを見ていただきましょう。
少し青くなっているのがわかりますでしょうか?

それほど青い!!という程度ではないですがこれは好みの問題で気になるか気にならないか・・ですね。
その分レティクルがくっきり見えますね。

4.VORTEX UH-1のの特徴について

EBR-CQB ホログラフィックレティクル

本製品の特長でもある、「新型レティクル」
前方の痕跡全てを視覚的に排除するようシステム全体を設計しており、既存のレッドドットサイトや他社製ホロサイトとの違いをアピール。
中央のドットを25~400ヤードの照準点として、下部の△を10ヤード以下での近接照準に使用。

ArmorTek スクラッチレジスト

全てのレンズ面に反射防止コーティングを施すことでより明るい視界を確保し、超硬質で傷つきにくいコーティングは外部レンズを傷、油等の汚れから保護します。

Shockproof XR Plus マルチコーティング

堅牢なアルミ製シャーシは2重にシェードを付ける構造等にせずとも過酷な環境下に耐える高い耐衝撃性を実現。

FHQ Technology

低照度でのステルス・シューティング・シグネチャーに対する迷光放射を実質的に排除し、他のホログラフィック・スポットと共通のアイピース・グレアを防ぎます。

5.VORTEX UH-1ののドットについて

前方の痕跡全てを視覚的に排除するようシステム全体を設計しており、既存のレッドドットサイトや他社製ホロサイトとの違いをアピール。
中央のドットを25~400ヤードの照準点として、下部の△を10ヤード以下での近接照準に使用するというスグレモノ。

エアソフトガンで使用できるのかはわかりませんが、こういうVORTEXにしかないレティクルは覗いてみるだけで満足感を感じることができます。
極力視野の中の必要のないレティクルをなくして視認性を上げる工夫がされています。

6.実際に実物Eotech EXPS3-2ホロサイトと比較してみた

外観について

これまで一強、覇権を握っていたEotechホロサイトと比較していきましょう。
外観は完全に異なりますので細かい比較をしても意味がありませんのでサイズ感やなどを中心に説明していきます。

Eotech ホロサイトの中でも大型のEXPS3-2と比較してもかなりデカいです。
Eotechは台形の形状に対して、Vortexは長方形の四角形です。

形状や大きさがまるで違うのでどの銃にも似合う、というわけではないのでその点少し難しいところです。
高さは完全に一緒でしたので、ブースター・マグニファイアを使用する場合はEXPS3用でもぴったり合うと思います!


基本的に形状の大きな違いはあれど、ボタン配置などは全く同じなのでこちらのホロサイトに乗り換えても使用において迷うようなことはなさそうです。
このEXPS3は接眼レンズ側のボタンの配置が違いますが、そのほかのホロサイトだと同じように接眼側にボタンがあります。

レンズ・レティクル・視認性について

まずはレンズの透明度クリアさについて。
Eotechは本当に透明なのに対してVortexはすこし青みがかっているのがお判りだと思います。
かなりズームして撮影しているのでかなり青く感じますが実際覗いてみるとそこまでではないかな・・。

つぎにレティクルを表示した状態で見ていきましょう。
青みがかっているがゆえに、レティクルがくっきり視認しやすく感じます。
Eotechのほうが透明なので私はEotechのほうがいいかな・・と感じましたが、屋外を覗いたときにVortexの青みがなくなり、かなりきれいに鮮やかに視認できました。

ある程度明るい環境でサイティングすると青みが全く気にならなくなり、視認性やクリアさはEotechとほぼ変わらない感じになりました。
いやはや、なかなか見やすいうえにかっこいいレティクルです・・・( ̄▽ ̄)

.総合評価&オススメ度

オススメ度 ★★★★★

発売当時に比べて、相場価格が下がってきている

日本で正規輸入が始まってから、当初は120,000円という価格で発売されました。
正規代理店での購入ということで高いのも仕方のないことですが実物光学機器ってそうそう壊れるものでもありません。
保証がなくてもいいから安いものがほしいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか・・??

現在海外のサイトでは$499~$699(日本円で55,000円~77,379円)です。
正規で輸入するコストなどを考えるとそれなりに価格が上乗せされるのはわかりますが本来55,000円する商品が120,000円はちょっと損する気分になりますよね・・
それにこちらのモデルはナイトビジョンモードが付いておらず、120,000円出せばナイトビジョンモード付のEotechのEXPS3が買えちゃいますね。

現在はヤフオクや個人輸入で70,000円~で入手が可能な時代になりました。
70,000円~75,000円で購入できるなら価値は大いにあると思います。

輝度の劣化や温度変化によるズレが起きにくい

米海軍海上戦センター (NSWC: Naval Surface Warfare Center)で特殊作戦部隊の武器計画管理を務めるSOF-WPMO (Special Operations Forces – Weapons Program Management Office) は、L-3 EOTech社の HWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)ECOS シリーズの対象機種が、周囲温度 摂氏約22.8度(華氏73度)の環境下で、ゼロイン調整を行っても、メーカーが定めていた動作温度:摂氏-40度~50度(華氏40度~122度)の範囲内で、約4MOAの照準点変動が生じるとした検証結果を SOUM(Safety of Use Messages)にまとめ、2015年9月14日付で発表した。 

照準点変動の原因は、周囲温度の変化によって、機器内部でサーマルドリフト(温度ドリフト)が発生し、精度が狂うためだとしている。また、パララックスフリーを謳いながらも、周囲温度状況によって4~6MOAの視差がある点も指摘している。

*2015年11月9日ミリブロニュースにて

すでに賠償金を支払うことで和解が成立していますが、何百メートルの距離を狙い、そのミリ単位の照準の狂いが生死を分けるような状況においてこれは非常に重要な問題です。エアソフトガンにおいては何の問題もないですが・・・(笑)
その問題があってからは米軍はホロサイトを使用しておらず、大量に余っている・・なんて情報も耳にします。

そんな中で現在ある問題に対応しつつ、新しく発売したのがこの「UH-1」です。
従来のホロサイトと比較してもバッテリーも長持ちし、フレームの耐久性も向上。温度変化による照準の狂いも起きないように作られています。

・あらゆる角度から見ても歪まず鮮明かつクリアなレティクルを表示する
・効率的なパワーシステムによりバッテリー寿命も長くマイクロUSBから充電可能なバッテリーも内蔵している
・フレームは耐衝撃性に強いアルミニウムで、従来のホログラフィックサイトよりも衝撃吸収力が優れている
対物レンズにはArmorTek、Shatterproof XR Plusマルチコートを採用し非常に高い耐摩耗性を実現。
→相手側からは遮光レンズになっている為低照度時も光が外部に漏れる事がない
・レンズ内はアルゴンガスが充填されていて防水性・防曇性にも優れている
・20mmレイル対応のクリックリリースマウントを標準装備。

珍しくて注目されている

ここ最近発売したばかりの製品で外観も近未来的な独特のフォルムなので非常に目を引きます!
私も以前東京サバゲパークに持って行った際に初速測定でスタッフに渡した際に「おお~UH-1サバゲーで使ってる人初めて見ました!すごいっすねぇ!」といわれました。(笑)

レプリカもまだ出ていないし・・・といおうとしましたが既にもう出ているようです。(笑)
中国のパクリ魂は本当に迅速ですごいですね・・・。

性能はもちろんのこと圧倒的に違うので外装カスタム目的でなければまあお勧めできるものではありません。
*外観を実物そっくりに模したレプリカドットサイトはだいたい性能がめちゃめちゃ悪いです。
実物・実銃対応光学機器をメインにレビューさせていただいている私個人的には個体差が激しすぎるし使い物にならないものが多いのに1万円を超えるものが多いので全くお勧めできません。

間違いのない約束された性能・満たされる所有欲

実物光学機器の最大のメリットは「間違いなく素晴らしい性能が保証されている」ということです。
実物なので実際に殺すか、殺されるかというような一瞬のサイティングが生死を分ける環境下で使われている光学機器なので、基本は揺れなどの衝撃でゼロインが狂うということはまずありません。そして、一度しっかりとゼロイン調整をしてしまえば、確実に当たります。

この安心感は実物でしか味わえない感覚です。
*実物クラスの光学機器を使用する場合はエアガン側の精度も重要なので内部カスタムを強くお勧めします。